お客様の課題
積層造形は、コストと納期の削減、循環型経済の加速、廃棄物の削減、サプライチェーンのCO2排出量の削減を実現する可能性を秘めた革新的な技術です。LRQAとShell社は、この技術の安全に不可欠な用途における認証のための画期的な新しい国際基準を開発し、保証における技術革新が積層造形の技術革新をどのように可能にしているかを実証しました。
機会
積層造形は、これまでに確立された製造技術になりつつあり、安全性が重要でない分野では広く適用され、大きなメリットが得られています。
しかし、安全性が重視される用途では、規制と法規制が変化のペースに追いつくのに難航しており、一般に認められた国際基準がないため、積層造形装置の使用は許可されていません。
認証と保証の革新は、積層造形製品に対する高い信頼性と信用を築き、安全性がより重要な用途での技術の使用を拡大する上で重要な役割を果たします。エネルギー部門ほどこのようなケースは他にありません。
LRQAの支援
取り組み
積層造形に関する問題を解決するには、エンドユーザーやアシュアランスプロバイダーから、専門の印刷工場や OIM（Original Equipment Manufacturer）まで、サプライチェーン全体にわたる協力が必要です。
Shell社は、積層造形技術の信頼性を向上させるために必要な調査データを収集するため、LRQAと協力して圧力容器のCE認証（EU製品の要件）を取得しました。これは、自社で積層造形した部品について第三者機関からCE認証を取得した欧州初の企業となります。LRQAは、欧州圧力機器指令（PED）に従って容器を認証しました。
この重要な成果は、PEDの下で誰もが積層造形圧力機器を認証できる道筋を確立したことであり、認証がいかに重要機器への積層造形の利用を拡大する可能性を開くかを示しています。
現在、積層造形プロセスおよび製品に関連し、適用可能であることを確認するために、60種類近くの国際認証基準が策定されており、積層造形の利用を世界的に拡大する動きが活発化しています。
素晴らしい結果
今後の展望
積層造形は、予備部品のコスト、納期、CO2排出量を削減することができます。認証を取得することで、従来の製造方法よりも75％短い時間で生産に不可欠な部品を製造できるようになります。
Shell社の意向は、認証機関、OEMメーカー、現地のパートナーと連携して、必要なときにいつでも安全に不可欠な部品を印刷するために必要なすべての情報を保管するデジタル倉庫を開発することです。デジタル倉庫は、スペアパーツの購入、保管、大量の在庫管理の必要性を減らし、ひいてはコストと無駄を削減するのに役立ちます。さらに、仕向け地に近い場所で印刷することで、輸送に伴うCO2排出量も削減できます。また、高スキルの現地スタッフが支えることで、より短く効果的なサプライチェーンを構築することもできます。
このアプローチにより、Shell社のナイジェリア沖事業ではすでに大幅なコスト削減が実現しました。この事業では、交換部品が生産されていない大規模な設備の小さな部品を修理しました。16週間もかかる組み立て部品全体の交換ではなく、わずか2週間で交換部品を製造し、メンテナンスコストを90％削減しました。
積層造形がなければ、装置全体を交換する間、生産を停止しなければならない可能性がありました。また、コストがかかり、複雑で危険な海上での重量物運搬の必要性もなくなります。
