リスクはつきものであり、食品分野も例外ではありません。
文化が秘訣ととなるのでしょうか?
組織、そしてより具体的には組織内の人々がリスクを予測し、それに対する計画を立てなければ、どのようにして事業を継続できると確信できるでしょうか?
私たちは「トップダウン」という言葉をよく耳にしますが、機敏な事業継続モデルを構築する場合には、「ボトムアップ」の視点も同様に重要であると主張すべきでしょう。当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、組織内の全員が、安全な食品を提供するためにどのような役割を担っているのか、また、なぜそのように業務を行っているのかを理解していることで、混乱が生じた際に、ただ単に指示された通りに手順に従うのではなく、プロセスに疑問を投げかけることが可能になります。
これは、食品業界が食品安全文化の構築に重点を置き、組織全体で説明責任と責任感を醸成することの重要性を強調しています。適切なトレーニングを提供することが、事業活動のあらゆる分野において、妥協してはならない基本事項や、組織のリスク許容度を完全に明確にすることの重要性を確保する鍵となります。また、確立されたプロセスからの乖離がリスク管理のための追加措置を必要とするかどうかを評価することも重要です。
つまり、もしお客様のビジネスに混乱が生じた場合、それがサプライチェーンの問題、従業員の変更、自然災害、あるいはサイバーインシデントであっても、お客様の主要なビジネス慣行、プロセス、計画は整っているということになりますが、同時に、現場で働く人々が安全を確保するために必要な質問を尋ねることができる権限を与えられていれば、さらに有益であるといえます。
リスクは認識されていますか?
事業継続計画を構築する上で重要なのは、事業に影響を及ぼす広範なリスクを十分に理解すること、そしてそれらのリスクの相互関係と、それが事業にどのような影響を及ぼすかを理解することです。例えば、あるプロセスのみに小規模な混乱が起こった場合、それが他のプロセスにどのような影響を及ぼすでしょうか? 波及効果はどのようなものでしょうか? このような洞察を計画に積極的に組み込むことで、ビジネスとしての機敏性を高めることができます。 脅威や変化に素早く対応し、製造する食品の安全性を確保しているという高いレベルの信頼性を維持しながら、迅速な対応が可能になります。
事業継続計画は、常に進化していくものでなければなりません。問題が発生した際には、その課題から学び、業務方法を慎重に変更し、その変更が有効であることを影響を分析しながら検証することが重要です。事業継続計画を、すべての学習内容を把握し評価するための枠組みとして活用すれば、事業は問題に迅速に適応し回復することができ、よりレジリエントなものとなります。
変化する状況により、多くの企業のリスク許容度が厳しく問われるようになりました。今こそ、企業は継続計画を枠組みとして活用し、そこから得られた教訓を活かさなければなりません。また、新たに発生する脅威に対して明確な対応策を講じられるようにしなければなりません。同様に重要なのは、これらの計画はもはや単なるチェックリスト的な活動ではなく、実際には、企業が事業を運営していく上で不可欠な、常に進化し続ける要素であるということです。