2023年3月16日、湯川剛一郞氏(FSSC財団 日本代理人)を講演者に迎えたウェビナー記事です。HACCPとマネジメントシステム、FSSC財団の動向にてついて解説しています。
[オンデマンド動画のご案内] FSSC 22000におけるHACCPとマネジメントシステム、今後の食品安全認証とFSSC財団の動向について
HACCPへの取り組み、またFSSC 22000 version6への取り組み等を考慮し、改めて食品安全マネジメントシステムの本質を考察します。
[オンデマンド動画のご案内] FSSC 22000におけるHACCPとマネジメントシステム、今後の食品安全認証とFSSC財団の動向についてHACCPは、食品の安全性を確保するために考案された衛生管理手法です。アメリカで発案された手法ですが、今では国際的に用いられています。この記事では、HACCPと食品安全マネジメントシステムの概要、FSSC財団の動向について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
FSSC 22000におけるHACCPと食品安全マネジメントシステム
講演者:FSSC財団 日本代理人 湯川剛一郞氏
FSSC 22000の所有者はFSSC財団という非営利団体です。
FSSC 22000は継続的改善ということで2010年にVer.1を発表して以来、現在のVer.5.1までアップデートされています。(Ver.6は、2023年4月に公開済)
※FSSC 22000第6版を解説したウェビナー動画をご視聴いただけます。
「FSSC財団よる FSSC 22000第6版(改訂版)の概要と特徴に関して」
マネジメントシステムと上位構造(ハイレベルストラクチャー)
ISOにはマネジメントシステムに関する多くの規格があります。そこで2012年に、すべてのマネジメントシステム規格を共通の構造にするために、上位構造(HLS・ハイレベルストラクチャー)が共通テンプレートとして開発されました。ハイレベルストラクチャーは10章立てですので、もとは8章立てだったISO 9001もISO 22000も、今では10章立てになっています。
第6章には「機会」という記述が、第9章には「改善の機会」という記述があります。この「改善の機会」という言葉を、審査の際に審査員から改善に関する助言をもらうことだと誤解されていることもあるようです。この「改善の機会」という言葉は、組織に対する要求事項を指します。組織の皆様が改善のための行動をとるということです。
HACCPとは、確実な衛生管理を行うための仮説
もう一つの話題であるHACCPについて、HACCPとは「偉大な仮説である」と私はとらえております。危害要因分析を行って、「ここをCCPに設定すれば、確実な衛生管理が行えるだろう」という仮説です。その仮説に対して、食品の安全が達成されているかどうかを確かめて検証する必要があるのですが、単に温度管理や時間管理の記録をとるだけでは十分な検証とは言えません。
記録を振り返ったときに、期待した仮説を証明するデータが得られたかどうか、CCPが機能しているかどうか、そういったことを確認して初めて検証できたと言えます。
FSSC財団の今後の動向
2022年の7月ごろから、欧米を中心に大手の組織(例えばYum!様、COSTCO様など)との連携の動きが見られます。今のところ直接的な働きかけはまだありませんが、日本でもいずれこういう動きが出てくる可能性があります。
また、監査レポート活用の一環として、FSSC ON-SITEを公開しています。ここに登録しておくと、自分が興味を持っている組織の登録認証状況が変わったときにアラートメールが来るという機能があります。今後は公表していない情報や監査レポートにアクセスできるようにすることも検討中です。